George Takei plays 'Taro' in Zone/ジョージ・タケイ TZでタロー役を演ず

2001年12月5日付北米毎日新聞掲載コラム

アジア系アメリカ文化を担う旗手たち (21)

日系二世俳優 ジョージ・タケイ

須藤達也

1950年代の終わりから60年代前半にかけて放映されたトワイライト・ゾーン(日本ではミステリー・ゾーン)、60年代後半のスタートレック(日本では宇宙大作戦)、この2つのシリーズは日本でもいまだに根強い人気がある。トワイライト・ゾーンは今、日本コロンビアが月に2巻のペースでDVDを出しており、来年には全156話が完結する予定である。スタートレックはこれまでビクター・エンターテインメントが各シリーズの一部をビデオ化、今後はDVDで出していくという。
スタートレックのスールー役で一躍名をはせたタケイだが、彼はトワイライト・ゾーンにも出演している。第151話の「The Encounter」という作品である。本国で放映された後、物議を醸したため再放送されずお蔵入りとなり、そのために日本では放映されなかったいわく付きの作品である。タケイは第二次大戦の退役軍人の家に日系人の庭師として登場する。部屋には「仇討の剣」という字が彫られた日本刀が置いてある。戦争中、退役軍人が投降した日本兵を殺した後に奪い取ったものである。この刀が元で2人は争いを始め、退役軍人はその刀に刺されて命を落とし、庭師は「万歳」と叫びながら飛び降り自殺をする。庭師は「父は真珠湾のドックで働いていた。日本軍にどこへ爆弾を落とすべきか合図を送った裏切り者だった」と語っており、この部分に問題があったと推測されている。日本では未放映だったものの、パイオニアが以前出したレーザーディスクには収録されているのでファンは見逃していない。私はトワイライト・ゾーン研究家のTZ氏に見せていただいた。
タケイがデビューした60年代初めのころの作品は、トワイライト・ゾーンを含めとても興味深い。「A Majority of One」(1961年、日本未公開)で、彼はアレックス・ギネスが演じる日本人の下男役で出演しているが、「To the Stars」(94年)という自伝でこの時のことを次のように回想している。「(日本人に見せるため)ギネスの両目にはゴム製の薄い膜が張られていた。そのせいで彼の目は冷たく残忍なは虫類のようだった」。ギネスの妙なメークについて助監督に進言しても聞いてもらえなかった。メークだけでなく彼の日本語もひどかったが、ギネスは日本語指導員の注意を聞こうとしなかった。ギネスとの共演を楽しみにしていたタケイの期待は裏切られ、人種と配役について考えるきっかけとなった。「Hell to Eternity(戦場よ、永遠に)」(60年)では、往年の大スター早川雪洲と彼の妻青木鶴子と共演した。この作品はハリウッド映画では初めて戦時中の日系人強制収容所のことを扱ったもので、自身の収容体験とも重なり、彼にとっては忘れがたい作品となったらしい。
タケイはもともと建築家を目指していた。奇しくもマコもそうだった。彼の経歴は「To the Stars」に詳しい。日本語への翻訳が待たれる好著である。

(表題を除き、改行位置含め原文のまま。筆者である須藤達也氏よりサイトへの転載許可を得ています。)

ジョージ・タケイ George Takei
1940年(38年説あり)4月20日、ロサンジェルス生まれの日系三世。UCLAバークレイ校卒。
'55年「ゴジラの逆襲」('56年「空の大怪獣ラドン」説あり)のアメリカ公開版でアン・クレジットながら吹き替えを担当。'59年「戦雲」Never So Fewにも出演したがこれもクレジットされておらず、本格的な映画デビューは'60年の「北海の果て」Ice Palaceとなる。同年「戦場よ永遠に」Hell to Eternity、'66年には「歩け走るな!」Walk, Don't Run ! に出演。その年からTVシリーズ「宇宙大作戦」Star Trekにヒカル・スールーHikaru Sulu役で出演し一躍有名になった。
一方'59年から日本でもお馴染みの外国ドラマ、「九〇分劇場」Playhouse 90「ペリー・メイスン」Perry Mason「ハワイアン・アイ」Hawaiian Eye「アイ・スパイ」I Spy「スパイ大作戦」Mission: Impossible、その後も「ハワイ5−0」Hawaii Five-O「600万ドルの男」The Six Million Dollar Man「ベガス」Vega$「マイアミ・バイス」Miami Vice等々100本以上のTVシリーズにゲスト出演。又、'68年「グリーン・ベレー」The Green Berets、「スター・トレック」劇場版6作品、 '89年「戦場にかける橋2 クワイ河からの生還」Return from the River Kwai、 '90年のオーストラリア映画「アンボンで何が裁かれたか」Blood Oath等、日本未公開を含め30本以上の映画に出演している。

北米毎日新聞 Hokubei Mainichi
1948年よりサンフランシスコを中心に、日・月曜日を除く毎日発行の邦字紙。1部50セント。公称1万部発行。